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なぜイベントに音響が必要か?

音響の必要性

こんな風に思っている方はいませんか?

「音響って、そもそも必要?」

「音さえでれば、ラジカセでもなんでもいい」

「スマホを繋げてかけっぱにしておけば、それなりになるんじゃない?」

確かに、音が何もない場合に比べると、スマホ等からのBGMがあるだけでも雰囲気が違うことは間違いありません。

しかし、音が小さくて参加者全員に聴こえていなければ、いまひとつ盛り上がりに欠けませんでしょうか。そしてマイクを使って声をしっかりと届けたい場合はどうでしょうか。イベントのシーンごとに雰囲気を変えたくても、咄嗟に対応が可能でしょうか。

デジタル機器が普及している昨今、手軽に好きな曲をかけることは簡単なことですし、イヤホンで好きな曲を楽しむことも簡単です。しかし、それは家庭内や、小規模な空間、あるいは自分だけの空間のお話し。

ひとたび自分だけの空間から飛び出し、たくさんの人と一緒にイベントをしようとすると、手持ちの音楽デバイスでは限界があり、そこに求められる知識、技術、経験、機材のハードルは一気に上がってしまいます。

お客様が慣れない機材を使うストレス、いまいち聴きづらい音を仕方ないと我慢し続けるストレスを解消するため、専門知識を有したPA(音響)オペレーターがいるのです。

音響演出はテンションを上げる起爆剤

ビジネスマンなら、人前でプレゼンをするとき、アイスブレイク等のテクニックを使って、コミュニケーションを取りやすくすることも多いかと思います。

集まった人を和ませ、緊張をときほぐし、よい雰囲気作りをすることで、目的の達成が楽になります。

これはイベントでも同じです。

いわゆる「客入れ」と呼ばれる開始準備中の時間は、イベント本編の開始にあたり、徐々に気持ちを作り、雰囲気を高めていく大切な時間になります。

「オープニングアクト」はイベントの冒頭でしっかりと注意を惹きつけ、これから何かが始まる!という期待感を最高潮に高めることができます。

例えば、社内でイベントをするときは、業務の一環として就業時間扱いにする場合もありますし、有給を付与することで参加してもらう場合もあります。

社員は、ただの遊びではありませんので、仕事モードのまま集合することがほとんどのように見受けられます。周囲には普段あまり顔を合わせない部署の社員や、別の支部の社員もいますし、何といっても上司や役員、社長もいらっしゃるわけですから、あまりおふざけが過ぎると評価に響いてしまうのではないかと、緊張気味です。

しかし、それではイベントが始まっても会場の雰囲気がなかなか温まりません。

ガツン!とインパクトのあるオープニングを皮切りにすることで、参加者の気分を切り替え、非日常の体験が始まるという気分のスイッチがONになり、その後の進行が非常にスムーズになります。

このようなインパクト…迫力や刺激のある演出のためには、音響は欠かすことのできない要素になります。

音響は「相手へのプレゼント」の精神

快適な空間の創造

お客様には、とにかく快適な空間で楽しんでもらうこと。

これは絶対条件です。

会場全体に声や音楽を届けるためには、専門の音響機器と、それを適正に扱う音響オペレーターが必要です。

もし、マイクが常にキンキンとハウリングを起こし耳障りだったら…。

もし、司会者の声や社長のあいさつのが聞きづらかったら…。

後ろの方にいる参加者まできちんと音が届いていなければ、せっかくのお話しも頭に入ってこないので、集中力が散漫になってしまったり、気分がしらけてしまうのも無理はありません。

どのくらの音量なら、聞きやすいか?

どのように音の加工、調整をすれば耳触りがよいか?

このことを自問自答しながら、音響機材の操作をするのが、音響オペレーター。

その心構えは、大切な人にプレゼントを届けることと一緒です。

快適なコンセプトメイク

快適で居心地のよい空間とはどんなところでしょうか?

例えば、お気に入りのカフェを思い浮かべてください…。

店内は清潔で掃除が行き届いている、イスやテーブルなどがオシャレ、照明がいい雰囲気を出している、メニューの質がよい、飲み物や料理の味がよい、接客は気配りがあって感じが良い、そして雰囲気に合ったBGMが流れている。

これらが完璧であれば、居心地が悪いわけがないですよね。

イベントでも同じことが言えると思います。

考えたコンセプトを具現化させるための装飾、制作物、受付からクロークや待機場所へのスムーズな導線、分かりやすい案内、イベントのコンテンツ、スムーズな進行、そして、音楽。

これらが調和することで心地よいイベントが成り立ちます。

音は、心地よさに欠かすことができない、大切な要素になります。

音響さんは何をしているか?

音響さん(PAオペレーター)は、その会場に合わせて適切な音響プランを設計し、適宜スピーカーやマイク、その他付帯するすべての機材を取り扱い、音がきれいに聞こえるようにセッティングを行います。

ライブやコンサートでは、楽器の音を拾い、それぞれの音色がもっとも美しく聞こえるように、音を調整し、ミキシングを行って、お客様に届けます。

演劇では、決まったタイミングでBGMを効果的に流したり、効果音を出して、演出を最大限に生かすサポートをします。

その他、司会者や進行に合わせて、タイミングよくBGMを流し、その場の判断も加えながらその場の空気感・空間創りをリードしていきます。

まるでリアルタイムでテレビ番組や映画の中にいるような音の演出を付けることで、臨場感があり、本格的な雰囲気になります。

音響心理学

私たちが聴いている音は、心理的にも影響を与えます。

耳に入った瞬間、音は物理的な現象から、聴覚刺激に変換され、大脳辺縁系まで信号が伝達されます。その時の複雑な情報伝達の過程で、さまざまなトリックが引き起こされることが研究によって明らかにされてきました。

マスキング効果

イベントでは、アクセントにするためにBGMをメリハリをつけてかけることもありますが、シーンとシーンを繋ぐときや歓談中にうっすらとBGMをかけることもあります。この時、BGMの目的のひとつにマスキング効果があります。

マスキング効果とは、二種類の音が重なったときに、本当は鳴ってはいるけれども、片方がかき消されて、聞こえなくなるという現象のことです。

BGMを止めると、とたんに周囲のガヤガヤが気になることがあります。BGM自体に集中して曲の内容をしっかりと聞いてもらうことを目的とせず、周囲の騒音をカモフラージュして、空間の違和感を取り除く効果があります。

イメージ誘導効果

場の雰囲気を、曲の持つ明暗の印象や、記号化されているイメージに誘導することを指します。

例えば、病院では抑揚の少ないクラシックが、高級サロンでは落ち着いた曲が、カフェではジャズやボサノバがかかっていることが多く、私たちは社会生活を送る中で、そのような印象付けに慣れている部分があります。

楽しい演出の時には明るい曲を、そして涙を誘いたい時は悲しい曲をかけることで、今そのシーンではどんなことを表現したいのかをイメージ付けます。

この時、曲の内容に集中しないで、聴いていないつもりでいても、実は無意識のうちに人の心理を誘導することができます。

感情誘導効果

映画を観ているとき、観ているシーンに明確なきっかけがなくても、曲を聴いているだけで泣いてしまう経験をしたことはありませんか?

このような効果は感情誘導効果と呼ばれます。

喜びや不安、怒りや悲しみといった感情の変化を誘導し、しかもその反応速度が速いことが特徴です。短時間で感情に変化をもたらすことができるのは、大脳辺縁系を活性化させるためだと言われいます。大脳辺縁系は、大脳の深部に存在し、情動、意欲、記憶、自律神経、情動行動に関与します。

行動誘導効果

早いテンポの曲を聴きながら歩いていると、ついついそのペースに合わせて歩くスピードが上がることはありませんか?

あるいは、焦らせるような早い曲を聴くと、動きが早くなってくるというのも、この行動誘導効果の一例です。

人は無意識のうちに、音楽のテンポや音量の情報から想定される状況に、行動を合わせようと変化してしまうのです。この効果は、徒競走や、作業のスピードアップを図りたい時に応用されています。

音が演出に与える影響の大きさは非常に強いものですし、人の心理面に与える影響も大きいです。持込機材のあると無しではまったく聞こえ方が違いますので、是非、迫力があって聞きやすい音響を体験してみてください。