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電源確保!環境を整えよう!

よい音と電源の大切さ

音響機器は当然のことですが、電気で動いています。電源が入らなければ、さすがに現場ではどうしようもありませんし、電源にトラブルが発生してしまうと、致命的です。

この電源の環境が良くないと、音にノイズが発生したり、音響機器が正しい性能を発揮しれくれない場合がありますので、良い音を出すためには電源の確保は非常に重要になります。ケーブルを高級なものに変えることも有効ですが、まずは一番の上流である電源を見直すようにしましょう。

まずは音響専用の単独回線を

イベント会場においては、まずは音響専用で使える電源を確保することが大切です。これは①キレイな環境の電源の確保と、②ブレーカーが落ちたりしない、適正な電力の確保の2つの意味があります。しかし、これは本当によくある話なのですが、使わせてもらいたい電源が「単独かどうか?」は目で見て分かるものではありませんし、会場の方もご存じでない場合が多いです。

家庭においては、なるべくタコ足配線にしないで、冷蔵庫などの家電と同じ回線にしないよう注意が必要です。

単独回線とは?

コンセントの数は多いほど便利であることはもちろんですので、部屋の様々なところにコンセントが顔を出していることでしょう。単独回線とは、ブレーカーが付いている分電盤のスイッチ(系統)のうち、1つの系統の回線を用いるということです。

これは注意が必要で、壁から見えているコンセントの一か所から電源を取るという意味ではありません。コンセントの奥、壁の中でどのような配線になっているかは、目で見るだけでは分かりませんので、どのコンセントとどのコンセントが裏でつながっているかは、図面などで確認する必要があります。

この図面はホールなどの設備でしたら持っていることがほとんどですが、体育館や公民館、レストランなどの飲食店の場合は担当の方も把握されていないことが多いです。その資料がどこにあるかもわからず、すぐに出にくいので、その場合は施工業者や保守メンテナンスで依頼をしている会社に確認を取ってもらう必要があります。問い合わせてもらうにも時間がかかりますので、余裕をもって確認をしましょう。

家庭の場合は、施工時の配電図を確認するか、管理会社に問い合わせをしてみるとよいかと思います。それでも分からなければ、1つずつブレーカーのスイッチをオフにしてみて、どことどこが繋がっているのか、自分で確かめてみるのも方法かと思います。

*ブレーカーを切る際はPCなどをつけっぱなしにしないようにご注意ください。熱が発生する家電もオフにしてから確認をしてください。

なぜ単独回線がよいのか?

電気会社から送電された電気が電柱から建物に引き込まれ、分電盤を経由して様々なコンセントに到達しているわけですが、エアコン冷蔵庫、洗濯機、テレビ、PC、掃除機、電子レンジ、インバーター式照明などの家電から発生するノイズが電気に乗っている可能性があります。最近の家電製品は機能が豊富で、「スイッチングノイズ」というものが発生してしまうものが多く、これがノイズが乗る原因になります。スイッチングノイズとは、電子回路がスイッチングを行う際に発生する高周波のノイズ(雑音)成分のことです。

そして、電力の安定化という側面も考える必要があります。よく、冷蔵庫のコンプレッサーが入った瞬間や、ホットプレートやドライヤーを使った時に、照明がチカっとなることを経験したことはありませんか?

この時、家電機器から大きな電流が流れ、電圧が一時的に下がってしまっているのです。この電圧の不安定さが音響機器に負荷を与えてしまいます。

そのため、音響用に使う電源は、家電やその他不明な機器と併用されているものを避ける必要があります。

キレイな電気を取る方法

1.コンセントの差し方

まず押さえておきたい対策として、コンセントの極性を合わせる方法を説明いたします。

コンセントの形と言えば、普通は平行に2つの穴が並んだ形状を思い浮かべるのではないでしょうか?でも実はこの2つの穴は左右で長さが違うのです。

左の長い方がマイナス(コールド/アース)で、右の短い方がプラス(ホット)と呼ばれます。このマイナスの方が、のアースを通じて電気を逃がす設計になっています。

一方、差す方の電源プラグは、よく見ると「N」のマークが刻印されているものがあります(何も書いていない場合もありますが)。このN側を長い方の穴に来るように、すべてのコンセントの向きを揃えることで、ノイズ発生のリスクを取り除くことができます。

通常、家電機器のプラグをどちら向きに差しこんでも、性能に問題ありませんが、音響機器の場合は音質に影響を及ぼす事があるのです。

なお、音響用の機器は下の図のように3芯になっているものが多いです。3芯の場合は、真ん中の丸い部分がアースになっています。このタイプでは、差し込む向きは一通りしかありませんので、2芯のように向きがバラバラになることはありません。

2.ノイズの除去の方法

次にオススメしたい対策は、ノイズフィルタ―機能付きのディストリビューター(タコ足)を使うことです。

●オススメ機材

FURMAN ( ファーマン ) / M-8X AR J 安定化電源

この機材は、電圧安定化、ノイズフィルター他、異常電圧から保護する役割などが備わっています。100Vの電圧が欲しい時、電圧が約80~120Vにブレても、100V(±5V)で安定化するように自動的に調整をしてくれます。急な電圧低下や上昇等の不安定な電源による問題から繊細な機材を守ってくれます。

また、RFI(無線周波妨害)やEMI(電磁妨害)と呼ばれるノイズを軽減してくれることで、クリアな電源が手に入ります。

3.その他

その他、舞台やホールなどでは様々なノイズの原因があり、小さな異変にも気が付けるように注意を払うことも大切ですし、機材やケーブルが原因ではなさそうな時は、電源を疑うことも忘れれてはなりません。また音響だけれではなく、照明の影響を受けていることもあります。

仕込みの時から、照明用の電源ケーブルと音響用のケーブルはなるべく遠ざけるなどの工夫も、対策の一つになります。

以上、これらの対策にご留意いただけましたら、いざ電源がおかしいかも?と思ったときに対処ができると思います。ぜひお試しください!